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ターミナルでAIにコードを書いてもらいたくて調べると、「Gemini CLIはGoogleアカウントでログインするだけで、1日1,000回まで無料」という説明がたくさん見つかります。ところが、いざ試そうとすると公式サイトの上部に移行のお知らせが出ていて、今も無料で使えるのか、有料プランなら使えるのか、どこから始めればよいのかが分かりにくくなっています。
Gemini CLIは、Googleがオープンソースで公開している、ターミナルで動くAIエージェントです。ただし2026年6月18日から、個人のGoogleアカウントで無料ログインする使い方(Gemini Code Assist for individuals)と、Google AI Pro・Google AI Ultraの契約での利用は、リクエストが処理されなくなりました。個人がターミナルのAIエージェントを無料で試すなら、Googleが後継として案内している「Antigravity CLI」に移ります。Gemini CLIそのものは今もGemini APIの有料のAPIキーや、会社・組織で契約するGemini Code Assist Standard/Enterpriseで使えます。
情報確認日:2026年9月28日
Google Developers Blogの告知、Gemini CLIの公式ドキュメントとGitHub、Google Cloudの利用上限のページ、Gemini APIの料金ページ、Google Antigravityの公式サイトとドキュメントをまとめた解説です。
- 「1日1,000リクエストまで無料」は、2026年6月18日の停止より前の個人向け無料枠の説明です。Gemini CLIの公式ドキュメント「Quotas and pricing」とGitHubのREADMEには、2026年9月28日時点でもこの数字の表が残っていますが、同じサイトの上部には「無料枠とGoogle Oneの利用者向けには、2026年6月18日にGemini CLIがAntigravity CLIに置き換えられた」というお知らせが出ています。
- 停止の対象は、Google AI Pro・Ultraの契約者と、無料のGemini Code Assist for individualsの利用者です(Google Developers Blog、2026年5月19日)。
- 会社などで契約したGemini Code Assist Standard/Enterpriseと、有料のAPIキーでの利用は続けられると告知されています。
- 無料(未課金)のGemini APIキーで今もGemini CLIを使えるかは、公式の説明が食い違っていて確認できませんでした(くわしくは下の表)。
Gemini CLIで何ができる?
Gemini CLIは、ターミナル(macOSの「ターミナル」やWindowsのPowerShellなど、文字でコマンドを打つ画面)の中でGeminiと会話しながら作業を進めるツールです。GitHubのREADMEでは「オープンソースのAIエージェント」と説明され、ライセンスはApache 2.0です。チャットで答えるだけでなく、指示に沿ってファイルを読み書きしたり、コマンドを実行したりします。
- コードの理解と作成:大きなコードの中身をたずねる、新しいアプリの土台を作る、エラーの原因を日本語でたずねる。
- ファイルやコマンドの操作:写真のファイル名を中身に合わせて付け直す、2つのCSVを1つにまとめる、といった作業も公式の入門ガイドで例に挙がっています。ファイルの書き換えやコマンドの実行の前には、許可を求める画面が出ます。
- Google検索での裏付け:回答にGoogle検索の結果を使えます。
- 機能の追加:MCP(外部のツールやサービスをAIにつなぐ共通の仕組み)で、ほかのサービスと連携できます。
- プロジェクトごとの指示:フォルダに「GEMINI.md」というファイルを置くと、そのプロジェクトでの書き方や決まりごとを毎回読み込ませられます。
開発は続いていて、npmで公開されている安定版の最新は、2026年9月24日公開の0.61.0です(2026年9月28日時点)。変わったのはツールそのものより「どの契約で使えるか」だと考えると整理しやすくなります。
無料枠はどうなった?自分の契約で今使えるかの早見表

Googleは2026年5月19日、Google Developers Blogで「Gemini CLIをAntigravity CLIへ移行する」と告知しました。個人向けには、2026年6月18日にGemini CLIとGemini Code AssistのIDE拡張機能が、Google AI Pro・Ultraの契約者と、Gemini Code Assist for individualsを無料で使っている人のリクエストを処理しなくなる、という内容です。一方、会社などの組織で契約している人については「アクセスは変わらない」とし、有料のGemini APIキーなどでも引き続き使えると書いています。
Gemini CLIのドキュメントに残っている旧来の上限表と、この告知を合わせると、2026年9月28日時点の状況は次のとおりです。
| ログイン方法・契約 | 停止前の上限(ドキュメントの表) | 2026年9月28日時点 |
|---|---|---|
| 個人のGoogleアカウント(無料、Gemini Code Assist for individuals) | 1日1,000リクエスト | 使えない(2026年6月18日に停止) |
| Google AI Pro | 1日1,500リクエスト | 使えない(2026年6月18日に停止) |
| Google AI Ultra | 1日2,000リクエスト | 使えない(2026年6月18日に停止) |
| Gemini Code Assist Standard(組織の契約) | 1日1,500リクエスト | 使える(変更なし) |
| Gemini Code Assist Enterprise(組織の契約) | 1日2,000リクエスト | 使える(変更なし) |
| Gemini APIキー(有料) | 使った量に応じて課金 | 使える |
| Gemini APIキー(無料枠) | 1日250リクエスト(Flashモデルのみ) | 未確認(告知は「有料のAPIキー」で使えるとだけ説明) |
| Vertex AI(Google Cloud) | 契約により異なる | 有料で使える(告知は「Gemini Enterprise Agent Platform」(Vertex AIの新名称)の有料APIキーでの利用継続を説明) |
ここでいう「リクエスト」は、AIモデルへの問い合わせ1回のことです。Google Cloudの説明では、Gemini CLIでは1回の指示(プロンプト)が複数のリクエストになることがあります。「1日1,500リクエスト」は「1日1,500回指示できる」という意味ではない点に注意してください。上限の対象にはProやFlashなどすべてのモデルが含まれ、使った量はGemini CLIの中で /stats model と入力すると確認できます。
このほか、Gemini CLIの料金案内ページ(geminicli.com/plans)には、Google Developer Programを通じたGemini Code Assistも選択肢として載っています。ただし2026年5月19日の告知には記載がなく、今も同じように使えるかは確認できませんでした。
今Gemini CLIを使うと料金はいくら?
個人がGemini CLIを使い続ける現実的な方法は、Google AI StudioでGemini APIキーを作り、有料の従量課金で使うことです。会社でGemini Code Assist Standard/Enterpriseを契約している人は、その契約(1人あたりのライセンス料金)の範囲で使えます。
Gemini APIキー(有料)の場合
APIキーで使うと、入力と出力の「トークン」(AIが文章を処理する単位。日本語ではおおよそ文字の量に比例して増えます)の量に応じて課金されます。Gemini APIの料金ページ(2026年9月24日更新)では、たとえばGemini 3.8 Flashの通常料金は次のとおりです。
| 項目(100万トークンあたり、米ドル) | 2026年12月31日まで | 2027年1月1日から |
|---|---|---|
| 入力 | 0.75ドル | 1.50ドル |
| 出力(考える過程のトークンを含む) | 3.75ドル | 7.50ドル |
Gemini CLIはファイルの中身を読み込んで考えるため、1回の指示でも入力トークンが多くなりがちです。Gemini CLIのドキュメントも、APIキーでの利用は「呼び出しごとの支払いで、小さな呼び出しが多いと割高になることがある」と書いています。使い始めは /stats model で消費量を見ながら、指示をまとめて出すと費用の見当がつけやすくなります。
Google AI Pro・Ultraを契約しても使えない?
2026年6月18日以降、Google AI Pro・UltraのアカウントでGemini CLIにログインしても、リクエストは処理されません。Pro・Ultraの利用上限を活かしたい場合は、後継のAntigravity CLIを使います。Antigravityでは、Pro・Ultraの契約者は無料の人より多い利用枠を受け取れます(次の章)。
個人が無料で使うならAntigravity CLI
Antigravity CLIは、Googleのエージェント型開発ツール「Google Antigravity」のターミナル版です。Google Developers Blogの告知では、Gemini CLIの主な機能(Agent Skills、Hooks、サブエージェント、拡張機能。拡張機能はAntigravityでは「プラグイン」という名前)を引き継いでいると説明しています。ただし「最初から機能がすべて同じになるわけではない」とも書かれています。
Antigravityの料金ページとプランのドキュメントでは、個人向けのプランは次のように案内されています。
| プラン | 月額 | 利用枠の説明 |
|---|---|---|
| Individual(Google AIの有料プランなし) | 0ドル | 週ごとに回復する利用枠と、週単位の上限。Tab補完とCommandのリクエストは無制限 |
| Google AI Pro | Google AI Proの料金(Antigravity単体の価格は料金ページに記載なし) | 5時間ごとに回復する利用枠と、より高い週の上限。追加のAIクレジットを使える |
| Google AI Ultra | Google AI Ultraの料金(Antigravity単体の価格は料金ページに記載なし) | いちばん多い利用枠(5時間ごとに回復)と、いちばん高い週の上限。他社のモデルも使える |
無料のIndividualでも、料金ページにはGemini 3.8 Flash、Gemini 3.1 Pro、Claude Sonnet・Opus 4.6、gpt-oss-120bなどのモデル名が並んでいます。一方、ドキュメント「Plans」は他社のモデルの利用をGoogle AI Ultraの項目に書いているため、無料プランで実際にどのモデルを選べるかは公式の2ページで説明が食い違っています。また、週に何回まで使えるかといった具体的な数値は公式に書かれていません。ドキュメントは、上限はエージェントがこなした作業の量に連動するので、単純な作業なら多く、重い作業なら少なくなると説明しています。上限は変わることがあるとも書かれています。
Gemini CLIの使い方:インストールから最初の指示まで
ここからは、有料のGemini APIキー、または組織のCode Assistの契約でGemini CLIを使う人向けの手順です。公式ドキュメントの手順をまとめたもので、画面の表示は版によって変わることがあります。
必要なもの
- Node.js 20.0.0以上(JavaScriptを動かすための実行環境。npmというインストール用の道具が付いてきます)
- 推奨OS:macOS 15以降、Windows 11 24H2以降、Ubuntu 20.04以降
- メモリ:短い作業なら4GB以上、長い作業や大きなコードを扱うなら16GB以上が推奨
- シェル:Bash、Zsh、PowerShellのいずれか。インターネット接続が必要
インストールとAPIキーの設定
- ターミナルで
npm install -g @google/gemini-cliを実行します。macOS・LinuxならHomebrew(brew install gemini-cli)でも入れられます。 - Google AI StudioでAPIキーを作り、支払い情報を設定して有料枠にします。
- macOS・Linuxなら
export GEMINI_API_KEY="作ったキー"、WindowsのPowerShellなら$env:GEMINI_API_KEY="作ったキー"で、キーを環境変数に入れます。 - 作業したいフォルダに移動して
geminiと入力し、認証方法の選択で「Use Gemini API key」を選びます。 - 入力欄に「このフォルダのコードが何をしているか説明して」のように日本語で指示します。ファイルの変更やコマンドの実行を求められたら、内容を見てから許可します。
組織のGemini Code Assist Standard/Enterpriseを使う場合は、4.で「Sign in with Google」を選びます。会社や学校のアカウントでは、事前に環境変数 GOOGLE_CLOUD_PROJECT にGoogle CloudのプロジェクトIDを設定する必要があります。APIキーは他人に知られると勝手に使われて費用が発生するため、公式ドキュメントも機密情報として扱い、不正利用から守るよう注意しています。
覚えておくと便利な使い方
gemini -p "指示":対話画面を開かず、1回だけ答えを返します。スクリプトから呼び出すときに使います。gemini -m モデル名:使うモデルを指定して起動します。起動後に/modelで切り替えることもできます。/stats model:いまのセッションで使ったトークンと、上限の情報を表示します。- GEMINI.md:プロジェクトのフォルダに置くと、書き方の決まりなどを毎回読み込みます。
Antigravity CLIへ移るときの手順と変わる設定
個人の無料アカウントやGoogle AI Pro・Ultraで使っていた人は、Antigravity CLIに移ります。Antigravity CLIはNode.jsではなく専用のインストールスクリプトで入れ、コマンド名は agy です。
- macOS・Linuxでは
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash、WindowsのPowerShellではirm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iexを実行します。 agyと入力して起動します。保存済みのログイン情報がなければブラウザが開くので、Googleアカウントでサインインします。- Gemini CLIの設定が残っているパソコンで初めて起動すると、移行する項目を選ぶチェックリストが表示されます。拡張機能はあとから
agy plugin import geminiでプラグインに変換することもできます。
Antigravityの移行ガイドによると、プロジェクトのGEMINI.mdとAGENTS.md、ホームフォルダの ~/.gemini/GEMINI.md はそのまま読み込まれます。一方、スキルとMCPサーバーの設定は置き場所が変わります。プロジェクト用のスキルは、自分でフォルダを移す必要があると明記されています。
| 設定 | Gemini CLI | Antigravity CLI |
|---|---|---|
| プロジェクト用のスキル | .gemini/skills/ | .agents/skills/(手動で移す) |
| 全体で使うスキル | ~/.gemini/skills/ | ~/.gemini/antigravity-cli/skills/ |
| MCPサーバーの設定 | ~/.gemini/settings.json の中 | ~/.gemini/config/mcp_config.json(プロジェクト用は .agents/mcp_config.json) |
Antigravity CLIでもGemini APIキーを使えます。その場合は ~/.gemini/antigravity-cli/settings.json に "modelProvider": "gemini" を書いたうえで、環境変数 GEMINI_API_KEY を設定します。キーを環境変数に入れるだけでは切り替わらない点がGemini CLIと違います。
入力したコードやデータはどう扱われる?
Gemini CLIのソフトウェア自体はApache 2.0ライセンスですが、Geminiにデータを送って答えを受け取る部分には、ログイン方法ごとに別の利用規約とプライバシーの説明が適用されます。
- Gemini APIキー(無料枠):Gemini APIの料金ページで、送った内容が「Googleの製品改善に使われる」と明記されています。仕事のコードや社外秘の情報を送る前に確認してください。
- Gemini APIキー(有料枠):同じ料金ページで「製品改善には使われない」とされています。
- Gemini Code Assist Standard/Enterprise、Vertex AI:Google Cloudの利用規約とプライバシーに関するお知らせが適用されます。
Gemini CLIは、使い方の統計(Usage Statistics)をGoogleに送ります。これは設定で止められます。また公式ドキュメントは、Gemini CLIのログインを使って、ほかのツールからGemini Code Assistのサービスに直接アクセスすることは規約違反になり、アカウントの停止につながることがあると注意しています。
結局どれを選ぶ?目的別の選び方
ここまでの公式情報をもとにした、筆者の提案です。
- まず無料でターミナルのAIエージェントを試したい:Antigravity CLIの無料プラン。週ごとの上限があるので、作業量が多い日は足りなくなる前提で使います。
- すでにGoogle AI Pro・Ultraを契約している:Gemini CLIではなくAntigravity CLIにサインインすると、契約に応じた多めの利用枠を使えます。
- Gemini CLIの設定やスクリプトをそのまま使い続けたい:有料のGemini APIキーで使います。費用は使った分だけかかるので、
/stats modelで消費量を確かめながら進めます。 - 会社のコードで使う:会社が契約しているGemini Code Assist Standard/EnterpriseやVertex AIの有無を、管理者に確認します。
ターミナルで使うAIエージェントは、Google以外にも選択肢があります。AnthropicのClaude Codeについては「Claude Codeとは?できること・料金と、ProやMaxで作ったコードの商用利用の条件」を読んでいただくと、料金プランとの関係が分かります。エディターの中で無料から試したい場合は「GitHub Copilotの使い方を初心者向けに解説」で、無料プランの上限と始め方を確認できます。
AIを使ったプログラミングを、ツールの使い方だけでなく体系立てて学びたい人向けに、学習サービスの案内を置いておきます。Gemini CLIやAntigravity CLIを試すだけなら、この記事の手順で始められます。

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参考にした公式情報
- Google Developers Blog:An important update: Transitioning Gemini CLI to Antigravity CLI(2026年5月19日)
- Gemini CLI:Quotas and pricing
- Gemini CLI:Installation/Authentication setup
- Gemini CLI:License, Terms of Service, and Privacy Notices
- GitHub:google-gemini/gemini-cli/npm:@google/gemini-cli
- Google Cloud:Quotas and limits(Gemini for Google Cloud)
- Gemini Developer API pricing
- Google Antigravity:Pricing/Plans
- Antigravity CLI:Installation & auth/Migrating from Gemini CLI
