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ChatGPTやClaude、Geminiに頼むと、うまくいく日もあれば的外れな答えが返る日もある。頼み方をきちんと身につけたくて「プロンプトエンジニアリング」を調べてみたものの、何から学べばよいのか分からない。そんな人に向けて、基本の型と練習の進め方をまとめました。
プロンプトエンジニアリングは、AIを提供している各社の公式ガイドを教科書にすると無料で学べます。OpenAI・Anthropic・Googleのガイドを読み比べると、「やってほしいことを具体的に書く」「背景を渡す」「出力の形を指定する」「例を見せる」「大きな作業は分けて頼む」「結果を確かめて直す」という6つの要素が共通しています。この型を、自分が毎週やる作業1つで試し、1か所ずつ変えて結果を比べる練習を続けると、頼み方が身につきやすくなります。
情報確認日:2026年9月28日。OpenAI・Anthropic・Googleの公式ガイドとヘルプをまとめた解説です。練習の進め方と指示文の例は筆者の提案です。
プロンプトエンジニアリングとは?チャットで使うだけの人にも関係ある?
プロンプトは、AIに渡す指示や質問のことです。OpenAIの公式ヘルプは、プロンプトエンジニアリングを「言語モデルの応答をうまく導くために、入力するプロンプトを設計し、改善していく作業」と説明しています(筆者訳)。
名前から開発者向けの技術に見えますが、チャット画面でAIを使う人にもそのまま関係します。OpenAIのChatGPT向けヘルプ「Prompt engineering best practices for ChatGPT」には、API(アプリ開発者向けの接続口)を前提にした資料も、書かれている勧め方そのものはChatGPTにも当てはまると書かれています。この記事でも、開発者向けのガイドから、チャットで使う人にも役立つ部分を取り出しています。
学ぶ順番としては、まずAIを日常の作業に使い慣れてから、頼み方の型を覚えるのが進めやすいと筆者は考えています。ChatGPTをまだあまり使っていない方は、ChatGPTの使い方を初心者向けに解説した記事を読んでいただくと、無料版でできることと最初に見直す設定が分かります。生成AIの学び方全体の順番は、生成AIの勉強方法の記事で4つの段階に分けて整理しています。この記事は、その2段階目「頼み方の型を覚える」を詳しくしたものです。
3社の公式ガイドに共通する「基本の型」は?

OpenAI、Anthropic、Googleは、それぞれ自社のAI向けにプロンプトの書き方ガイドを公開しています。モデルごとの細かな違いはありますが、読み比べると次の6つはどのガイドにも出てきます。
- やってほしいことを具体的に書く。何を、何のために頼むのかをはっきりさせます。Anthropicのガイドは、AIを「優秀だが、あなたの職場のやり方を知らない新しい社員」と考えるよう勧め、書いた指示を事情を知らない同僚に見せて、迷うようならAIも迷うと説明しています。
- 背景と理由を渡す。誰が読むのか、これまでの経緯、手元の資料など、AIが知らない情報を足します。Anthropicは、指示に「なぜそうしてほしいのか」を添えると、AIが目的を理解して応用しやすくなると書いています。資料を貼るときは、OpenAIのガイドにあるように、指示を先に書き、資料を
###や"""で区切ると、どこからが資料かが伝わりやすくなります。 - 出力の形を指定する。長さ、形式(箇条書き・表など)、口調を決めます。OpenAIは「短めに」のような曖昧な書き方より「3〜5文の段落で」のように具体的に書くことを勧めています。OpenAIとAnthropicはどちらも、「〜しないで」とだけ書くより「代わりに〜して」と、してほしいことを書くよう勧めています。
- 例を見せる。ほしい答えの見本を示します。OpenAIは「まず例なしで試し、うまくいかなければ例を足す」順番を示し、Anthropicは3〜5個の例を入れると結果が良くなりやすいと書いています。GoogleのGemini向けガイドは、プロンプトに例を常に含めることを勧めています。
- 大きな作業は分けて頼む。いくつもの作業を1回で頼まず、段階ごとに分けます。Google Workspaceのヘルプは、関連する複数の作業は別々のプロンプトに分けるよう勧め、Anthropicは「下書きを作る→基準に照らして点検させる→直させる」という分け方を紹介しています。
- 結果を確かめて直す。1回で完成させようとせず、返ってきた答えを見て指示を直します。OpenAIのChatGPT向けヘルプは「最初のプロンプトで試し、答えを見て、言い回しを変える・背景を足す・頼み方を簡単にする」という繰り返しを勧めています。Anthropicは、何ができれば成功かという基準と、それを確かめる方法を先に用意することを、プロンプトを改善する前提にしています。
それぞれの要素が、各社のどのガイドに書かれているかを表にまとめました。見出し名は各ページの英語表記のままにしています。
| 要素 | OpenAI | Anthropic | |
|---|---|---|---|
| 具体的に書く | ChatGPT向けヘルプ「Be clear and specific」 | Prompting best practices「Be clear and direct」 | Workspaceヘルプ「Be clear and concise」、Gemini APIガイド「Clear and specific instructions」 |
| 背景と理由を渡す | API向けヘルプの3番目(context・outcomeなどを具体的に)、APIドキュメントの「Context」 | 「Add context to improve performance」 | Workspaceヘルプ「Provide context」、Gemini APIガイド「Add context」 |
| 出力の形を指定する | API向けヘルプの3・6・7番目(長さ・形式・文体、曖昧な表現を減らす、してほしいことを書く) | 「Control the format of responses」 | Gemini APIガイドの「Constraints」「Response format」 |
| 例を見せる | API向けヘルプの4・5番目(例で形式を示す、例なし→例あり) | 「Use examples effectively」(3〜5個) | Gemini APIガイド「Zero-shot vs few-shot prompts」 |
| 分けて頼む | 今回確認したヘルプとドキュメントには独立した項目なし | 「Chain complex prompts」 | Workspaceヘルプ「Break down complex tasks into separate prompts」、Gemini APIガイド「Break down prompts into components」 |
| 確かめて直す | ChatGPT向けヘルプ「Iterative refinement」、APIドキュメント(評価の仕組みを作る) | Prompt engineering overview(成功の基準と試す方法が前提) | Gemini APIガイド「Prompt iteration strategies」 |
会社ごとの違いもあります。AnthropicはXMLタグ(<example> のような目印)で指示・資料・例を分ける書き方を詳しく説明しており、OpenAIのAPIドキュメントは、自分で考えてから答える推論モデルには大枠の目標を、そうでないモデルには細かな指示を渡すよう勧めています。まずは上の6つを共通の土台にして、よく使うAIのガイドで細かな違いを読み足すと、覚える量を抑えられます。
型を組み合わせると、指示文はどう変わる?
6つの要素を実際の作業に当てはめると、次のようになります。会議のメモから、欠席した上司への報告メールを作る場面を例に、筆者が作った指示文です。
型を使う前:会議のメモをまとめて。
型を使った後:
今日の定例会議の内容を、出席できなかった課長に報告するメールにしたいです。課長は案件のこれまでの経緯は知っていますが、今日の議論の中身は知りません。社内向けなので、丁寧すぎない文面にしてください。
件名を1行、本文は「決まったこと」「保留になったこと」「次にやること(担当と期限)」の3つの見出しに分け、全体で400字以内にしてください。メモにない情報は足さず、メモから読み取れない点は【要確認】と書いてください。
以前に書いた報告メールを見本として貼ります。
見本:
“””
(過去の報告メールを1通貼る)
“””
会議メモ:
“””
(ここに会議メモを貼る)
“””
1文目が「やってほしいこと」、2〜3文目が「背景」、件名と見出しと文字数が「出力の形」、見本が「例」です。「メモにない情報は足さない」は、してほしくないことを「代わりにどうするか(【要確認】と書く)」とセットで伝えています。返ってきたメールを読んで、足りない点があれば1か所ずつ指示を直すのが「確かめて直す」にあたります。
仕事の資料や会議メモを貼る前には、勤務先のAI利用ルールと、会話を学習に使わせない設定を確認しておくと安心です。文章校正・議事録・メール作成それぞれの頼み方と、社外秘を入れる前の確認は、ChatGPTを仕事で活用する例の記事を読んでいただくと、作業ごとの例文と設定の場所が分かります。
練習はどう進める?4週間の進め方(筆者の提案)
型は読むだけでは身につきにくく、自分の作業で何度か試して初めて使えるようになります。公式ガイドが共通して勧める「試して、見て、直す」を、筆者は次の4週間の流れで進めることを提案します。1日10〜15分、同じ作業で続けるのが目安です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 週に何度もやる作業(メール、要約、資料の骨組みなど)を1つ選ぶ。「これができたら成功」という条件を3つ書き出し、いつもの頼み方で試して結果を保存する |
| 2週目 | 「やってほしいこと・背景・出力の形」を入れて書き直し、1週目の結果と比べる。1回に変えるのは1か所だけにする |
| 3週目 | 見本を1〜3個足す。大きな作業は2〜3回に分けて頼み、一度に頼んだときとの違いを見る |
| 4週目 | 「下書き→1週目の成功条件に照らして点検させる→直させる」の流れを試す。うまくいった指示文をテンプレートとして保存し、別のAIでも同じ指示文を試す |
続けるうえで大事なのは、次の3つです。
- 1回に変えるのは1か所。背景と例と形式を同時に変えると、どれが効いたのか分からなくなります。
- 指示文と結果をセットで残す。メモアプリに「指示文・結果・気づいたこと」を並べておくと、うまくいった型を使い回せます。AIの答えは同じ指示でも毎回少し変わるので、気になる変化は2〜3回試して確かめます。
- 成功の条件を先に決める。「なんとなく良くなった」では比べられません。1週目に書いた3つの条件で毎回確かめます。
うまくいかないとき、どこを直す?
練習中によくあるつまずきを、6つの要素のどこを直せばよいかで整理しました。各社のガイドの勧め方をもとにした筆者の整理です。
| 困っていること | 直すところ |
|---|---|
| 答えが一般論で終わる | 背景を足す。誰が読むのか、何に使うのか、これまでの経緯を書く |
| 長すぎる・短すぎる | 「短めに」ではなく「3〜5文」「400字以内」のように数で指定する |
| 形式が毎回ばらつく | ほしい形の見本を1つ貼る。見出しや項目名を先に決めて渡す |
| 「〜しないで」が守られない | 代わりにどうしてほしいかを書く |
| 貼った資料と指示が混ざる | 指示を先に書き、資料を """ などの記号やタグで区切る |
| 一度に頼むと抜け落ちが出る | 作業を段階に分け、1回に1つずつ頼む |
| 事実が合っているか不安 | 元の資料を渡し、資料にないことは書かないよう頼む。最後は自分で原文と照らし合わせる |
どの直し方でも、AIの答えを最後に確かめるのは使う人です。Google Workspaceのヘルプも、Geminiの機能が不正確な情報を示すことがあると注意しています。
無料で使える公式の教材は?
型をもっと詳しく学びたい場合は、各社が公開している教材が使えます。ガイドのページはどれも無料で読めますが、教材を動かすのにAPIキーが必要なものや、料金がページで確認できなかったものもあります。2026年9月28日に公式ページで確認できた内容は次のとおりです。どれも英語のページです。
- Anthropicの公式ガイド「Prompting best practices」:具体的に書く、背景を渡す、例の使い方、XMLタグ、長い資料の置き方などを、良くない例と良い例を並べて説明しています。ページは誰でも読めます。
- Anthropicの対話型チュートリアル(GitHub):初級(プロンプトの基本構造、明確で直接的な書き方、役割の与え方)、中級(データと指示を分ける、出力の形式、段階を追って考えさせる、例の使い方)、上級(事実と異なる答えを避ける、複雑なプロンプト)の全9章と付録で、各章に練習問題があります。ノートブック形式の教材を動かすにはAnthropicのAPIキーが必要と案内されていますが、APIキーがなくても解答をまとめたスプレッドシートを閲覧できます。章立ては、そのまま学ぶ順番の目安にもなります。
- OpenAIのヘルプとAPIドキュメント:ChatGPT向けの「Prompt engineering best practices for ChatGPT」は短い入門、API向けの「Best practices for prompt engineering with the OpenAI API」は良くない例と良い例を並べた実践的な内容です。
- OpenAI Academy「Apply AI at Work」:働く人向けのコース群で、プロンプトの書き方と見直しの基本的な習慣を身につけることから始まると、トップページで紹介されています。料金はトップページとコース一覧に記載がなく、未確認です。
- Googleのガイド:Google Workspaceラーニングセンターの「Tips to write prompts for Gemini」は、書き換え前と後の例文が短くまとまっています。Gemini APIの「Prompt design strategies」は、例の入れ方や反復の進め方まで扱う詳しい版です。
英語のページでも、ブラウザの翻訳機能を使ったり、AIに要点を日本語でまとめてもらったりすれば読み進められます。Claude AcademyやGoogle AI Essentialsなど、プロンプトに限らない公式の学習コースの一覧は、生成AIの勉強方法の記事の「公式の学習コースはどこで受けられる?」で、料金と言語の確認結果と一緒にまとめています。
書いた指示文を添削してもらいながら学びたい人へ
基本の型は、ここまで紹介した公式ガイドと自分の練習で無料で身につけられます。一方で、自分の指示文のどこが弱いのかを誰かに見てもらいたい、仕事の作業を題材に演習したいという人には、添削のある学習サービスも候補になります。
DMM 生成AI CAMP 学び放題の「基礎マスターコース」は全職種向けで、ChatGPTの基本的な使い方、プロンプトの基本と応用、GPTsのカスタマイズ、文章校正・議事録・メール作成の実務演習を扱います。コースごとのライブゼミ(週1回×3か月)では、提出した課題の公開添削があります(参加には事前の申込みが必要です)。料金と解約の条件、向いている人・向かない人は、DMM 生成AI CAMP 学び放題の解説記事にまとめました。4週間の練習を試してみて、一人では続かない、見てもらう相手がほしいと感じたときに読んでいただくと、自分に合うかを判断しやすくなります。

DMM 生成AI CAMP 学び放題:職種別11コースを月額で好きなだけ学べるスクール
DMM 生成AI CAMP 学び放題は、生成AIデザイン・動画制作・AIアプリ開発・マーケティングなど職種別の11コース(約1,000レッスン)を、月額14,800円(税込16,280円)で好きなだけ学べるサブスク型のスクールです。入会金は0円で、月額プランなら最低契約期間の縛りがありません。
- コースをまたいで学べる。画像づくりから始めて動画編集やClaude Codeへ進むなど、目的が変わっても追加料金なしで学び直せます。
- 一人で止まりにくい。週1回×3か月のライブゼミで課題の公開添削を受けられ、分からないことは24時間対応のAIチューターに質問できます。
- 学んだ先の場がある。受講生限定のコミュニティや会員限定ワークショップ、DMMグループを含む企業の実案件コンペに参加できます。
仕組み・料金・自動更新や解約の条件は、DMM 生成AI CAMP 学び放題の解説記事で、向いている人・向かない人まで確認できます。
申込み前の確認:どのプランも自動更新で、更新を止めるには契約満了日の1日前までに退会申請が必要です。ChatGPT Plus等の外部サービス利用料・API利用料は受講料に含まれません。料金・条件は2026年9月15日に公式サイトで確認したものです。
先に内容を聞いてから決めたい方は、無料セミナーを予約できます(セミナーに参加しなくても入会できます)。
参考にした公式資料
- OpenAIヘルプ:Prompt engineering best practices for ChatGPT
- OpenAIヘルプ:Best practices for prompt engineering with the OpenAI API
- OpenAI APIドキュメント:Prompt engineering
- Anthropic:Prompt engineering overview
- Anthropic:Prompting best practices
- Anthropic:Prompt Engineering Interactive Tutorial(GitHub)
- Google:Prompt design strategies(Gemini API)
- Google Workspaceラーニングセンター:Tips to write prompts for Gemini
- OpenAI Academy
